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初心者でも簡単!庭木の挿し木で確実に発根させるコツを解説

初心者でも簡単!庭木の挿し木で確実に発根させるコツと失敗をゼロにする環境づくりの手順 おすすめ庭木
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こんにちは。我が家に植えたい庭木ナビ 運営者の「toki」です。

お気に入りの庭木をもっと増やしたいけれど、種から育てるのは大変そうだと感じていませんか。そんな時に便利なのが、枝を切って土に挿すだけで親木と同じクローンを作れる挿し木という方法です。でも、庭木の挿し木に挑戦してみたものの、枝が腐る、あるいは乾燥して枯れるといった失敗を経験して、初心者には難しいのではと悩んでいる方も多いと思います。実は、成功率をぐっと上げるためには、適切な時期を選んだり、無菌の土や清潔な道具を揃えたりと、いくつかの重要なコツがあるんです。メネデールやルートンといった発根促進剤の正しい使い方を知るだけでも、発根の確率は飛躍的に高まります。アジサイのように根が出やすい種類から始めれば、きっと楽しいガーデニングライフが広がりますよ。

記事のポイント

  • 挿し木に最適な時期と発根しやすい庭木の種類
  • 失敗を減らすための正しい無菌の土と道具の選び方
  • メネデールとルートンを活用した発根率アップの裏技
  • 腐敗や乾燥を防ぎ確実に発根させるための環境管理

初心者が庭木の挿し木を成功させるコツ

庭木の挿し木を成功させるためには、植物の生命力を最大限に引き出す環境づくりが欠かせません。ここでは、枝を切ってただ土に挿すだけではなく、失敗しないための具体的なアプローチや、植物のメカニズムに基づいた基本的なポイントを順番に詳しく解説していきますね。

成功率が上がる挿し木の適切な時期

挿し木成功への近道となる最適な時期(梅雨)と初心者に最適な庭木(アジサイ、ローズマリー、クチナシ)

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挿し木の成功率を大きく左右する最大の要素が、実行する時期の選び方です。植物にはそれぞれ1年を通じた成長のサイクルがあり、細胞分裂が最も活発になるタイミングや、環境ストレスが少なくなるタイミングを狙うことが、発根への第一歩となります。初心者の皆さんに私が最もおすすめしたいのは、ズバリ6月から7月の梅雨の時期に行う「緑枝挿し(りょくしさし)」や「半熟枝挿し」と呼ばれる方法です。

この時期は、その年の春に新しく伸びた枝(新梢)が少し硬くなり始めた状態であり、枝の中に細胞のエネルギーや水分がたっぷり詰まっています。さらに、梅雨特有の高い湿度が空気中に保たれているため、葉っぱからの過剰な水分蒸発(蒸散)を防ぎやすいという、挿し木にとってこれ以上ないほどの理想的な環境が自然と整っているんです。乾燥が一番の大敵である挿し木において、この湿り気のある空気は最高の味方になってくれます。

逆に、落葉樹などでよく行われる、葉がすっかり落ちた2月〜3月に行う「休眠枝挿し」という手法もあります。こちらは前年に伸びた充実した枝を使うため、葉からの水分蒸発による枯死リスクは少ないのですが、春の気温上昇とともに土の中でカビが繁殖しやすかったり、発根までに数ヶ月という長い時間がかかったりするため、少し管理の難易度が上がります。ですから、まずは梅雨時期に緑枝挿しから挑戦してみるのが、失敗を避けるための一番の近道かなと思います。

また、すべての庭木が同じように挿し木で容易に増やせるわけではありません。アジサイやクチナシ、ドウダンツツジなど、もともと生命力が高くて根が出やすい樹種を選ぶことも重要です。例えば、【ローズマリー】を庭で楽しむ!地植えで失敗しない育て方と活用法の記事でも触れているように、ハーブ類であるローズマリーなどは驚くほど強健で、初心者でも水に挿しておくだけで根が出てくるほどです。最初はこういった「発根しやすい種類」を選んで、成功体験を積んでいくのが楽しく続けるコツですよ。

庭木の種類 最適な時期 おすすめの理由
アジサイ 6月上旬〜7月上旬 梅雨時期と生育期が重なり、茎が水分豊富で極めて発根しやすいです。
オリーブ 5月下旬〜7月上旬 新梢の組織が固まりかけた時期に行うと、カルス(癒合組織)の形成がスムーズです。
ローズマリー 4月〜6月、9月〜10月 生命力が非常に強く、初心者でも手軽に挑戦できます。

失敗を防ぐ無菌で肥料なしの土選び

挿し木の土は絶対に無菌・無肥料の赤玉土や鹿沼土を使用し、栄養たっぷりの培養土は避ける

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庭木の挿し木に初めて挑戦した方が最も陥りやすい失敗、それは「せっかくの枝が黒く腐ってしまった」という悲しいトラブルです。実は、この腐敗の最大の原因は、皆さんが何気なく選んでしまった「土」にあることがほとんどなんです。初心者の方によくあるのが、お花を植えるのと同じ感覚で、栄養がたっぷり入った市販の「培養土(花と野菜の土)」や、お庭の花壇の土をそのまま挿し床に使ってしまうケースです。

ここで少し植物の気持ちになって考えてみましょう。切り取られたばかりの挿し穂の断面は、人間で例えるならパックリと開いた無防備な傷口と同じ状態です。しかも、まだ根っこが1本も生えていないため、土の中にある肥料成分(窒素・リン酸・カリウムなど)を吸収する力はゼロです。それどころか、培養土の中に含まれている腐葉土や堆肥といった豊かな有機物、そして各種の肥料成分は、土の中に住むカビや腐敗菌にとって最高の「エサ」になってしまいます。

肥料分のある土に挿してしまうと、これらの雑菌が猛烈な勢いで繁殖し、抵抗力のない切り口から入り込んで、あっという間に枝の組織をドロドロに溶かして枯らしてしまうんです。特に気温の上がる初夏などは、数日で菌が全体に回ってしまうことも珍しくありません。

ですから、挿し木の初期段階においては、完全に「無菌」であり、かつ「肥料分を一切含まない」清潔な土を使用することが絶対的な鉄則となります。具体的には、高温で焼成乾燥された「赤玉土(小粒)」や「鹿沼土」、あるいは真珠岩を高熱で発泡させた「パーライト」、蛭石を加熱処理した「バーミキュライト」などが最適です。これらは鉱物質であるため雑菌の繁殖を抑え、清潔な環境を保ってくれます。

挿し木用土の絶対条件
土の選択こそが成功への分かれ道です。ご自身で配合するのが難しい場合は、ホームセンターなどで売られている「挿し木・種まき用土」という専用のブレンド土を購入するのが最も手軽で確実です。絶対に普通の培養土や古い土の使い回しは避けてくださいね。

100均で揃う挿し木に必須の道具

圧倒的な水はけと通気性で健康な根を作る最強アイテム「スリット鉢」の魔法

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挿し木を始めるとなると、「なんだか専門的な高い道具がたくさん必要なのかな?」と身構えてしまうかもしれませんが、ご安心ください。最近は、ダイソーやセリアといった100円ショップ(100均)の園芸コーナーが本当に充実していて、挿し木に必要なアイテムのほとんどをプチプラで、しかも高機能なもので揃えることができちゃうんです。

その中でも、私が特におすすめしたい最強アイテムが「スリットポット(スリット鉢)」です。普通の植木鉢は底にしか穴が開いていませんが、スリットポットは鉢の側面から底面にかけて、縦にスリット(切れ込み)が入っているのが特徴です。これが挿し木においてものすごい威力を発揮します。

このスリットから余分な水がサッと抜け落ちるため、土の中が水浸しになるのを防いでくれます。さらに、スリットの隙間から土全体に新鮮な空気がどんどん入ってくるので、挿し穂の切り口が呼吸しやすくなり、腐敗のリスクを劇的に下げてくれるんです。また、無事に発根して根が伸びてきた時も、根が空気に触れることで成長を止めて枝分かれを促す「エアプルーン効果」が働き、鉢底で根がぐるぐる巻きになるサークリング現象を完全に防いで、健康でびっしりとした根鉢を作ってくれます。

他にも、湿度を保つために上から被せる透明なビニール袋や、定期的に葉水をあげるための霧吹き、土を鉢に入れるための小さな土入れスコップなども、すべて100均で十分揃います。初期費用を賢く抑えつつ、植物にとって最高の環境を整えてあげましょう。

ハサミは必ず清潔なものを!
枝を切るための剪定鋏やカッターは、とにかく「切れ味の良さ」と「清潔さ」が命です。切れ味が悪いと、枝の導管(水の通り道)が押し潰されてしまい、水を吸えなくなって枯れてしまいます。また、使用前には必ず消毒用アルコールで拭き取るか、熱湯をかけて消毒してください。見えない病原菌を枝の切り口になすりつけるのを防ぐための、プロも実践する大切な儀式です。

メネデールや発根促進剤の使い方

挿し木の成功率を飛躍させる2つのお薬。準備体操の役割を持つ活力水と、直接発根を促す発根促進剤

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庭木の挿し木の成功率を、初心者の方でもプロ並みに引き上げてくれる魔法のようなアイテムがあります。それが、植物活力素の「メネデール」と、発根促進剤の「ルートン」です。この2つは名前も働きも全く違うのですが、正しい使い方で併用することで、驚くほど発根までの期間を短縮し、力強い根を出させることができます。

まず「メネデール」ですが、これは肥料ではなく、植物が吸収しやすい二価鉄イオン(Fe++)を含んだ安全な活力水です。人間でいうところの、疲労回復サプリメントや点滴のようなものだと考えてください。枝を土に挿す前に、必ず「水揚げ」という作業を行うのですが、この時にただの水道水ではなく、メネデールを100倍に薄めた水を使います。庭木のような木の枝は、草花に比べて水を吸い上げるのに時間がかかるため、2〜3時間ほどじっくりと切り口を浸けておきましょう。これによって、鉄分と水分が枝の隅々まで行き渡り、細胞がシャキッと活性化して、発根に向けた準備体操が整うんです。

水揚げがしっかり終わったら、いよいよ土に挿す直前に「ルートン」の出番です。ルートンは合成オーキシンという植物ホルモンを主成分とした粉末状のお薬で、こちらは「切り口の細胞に、いますぐ根を出せと直接命令を下すターゲット薬」です。植物自身が作り出すホルモンと同じような働きをして、根のもとになる細胞(カルス)の形成を強力に後押ししてくれます。

使い方は簡単で、水から引き上げた枝の切り口の余分な水分を軽く振り払い、ルートンの白い粉末を切り口周辺に薄く均一にまぶしつけます。

ルートン塗布時の注意点
ここで「たくさん付けた方が早く根が出そう!」と欲張って、粉の塊がベッタリとついた状態のまま土に挿してしまうのは逆効果です。高濃度のホルモン剤が組織の呼吸を妨げ、高濃度障害を起こして逆に腐る原因になってしまいます。軽くトントンと指ではたいて、余分な粉を落とすくらいの薄塗りが一番効果的ですよ。

枝の斜め切り等から定植までの手順

道具と薬の準備ができたら、いよいよ実践的な手順に入っていきましょう。挿し木は「いかに植物の細胞を傷つけず、水分の蒸発を抑えるか」という、ちょっとした外科手術のようなものです。ここでの丁寧な作業が、数週間後の結果を大きく左右します。

水を吸い上げる面積を広げ吸水効率を良くするために、枝の切り口を斜めにスパッと切る様子

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まずは挿し穂(土に挿す枝のこと)の準備です。病害虫の被害がなく、元気で葉の色ツヤが良い充実した枝を選び、枝の先端から10〜15cm程度の長さでカットします。太さは鉛筆の芯から鉛筆本体くらいが扱いやすく、生命力も高いので理想的ですね。切り取った枝の下半分は土の中に埋まることになるため、その部分についている葉っぱは、手やハサミで丁寧にもぎ取ります。土の中に葉が埋まると、そこから真っ先にカビが生えて腐敗の引き金になるからです。

そして上半分には光合成をするための葉を残しますが、庭木の場合は葉の面積が大きいことが多く、そのままではあっという間に水分が蒸発(蒸散)して干からびてしまいます。そこで、残した葉っぱをハサミで横半分から3分の1くらいの大きさにジョキジョキとカットします。見た目は少し不格好になりますが、こうすることで光合成の能力を維持しつつ、気孔からの水分のロスを物理的に半減させることができるという、絶対に外せないテクニックなんです。

水分の蒸発を防ぐために、下半分の葉を取り除き上半分の葉をハサミで横半分にカットする手順

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次に、土に挿す側の切り口を、消毒したカッターやよく切れるナイフで斜めにスパッと切り返します。斜めに切ることで、水を吸い上げる導管の断面の表面積が広がり、吸水効率が格段に良くなります。また、切り口が鉢の底や土の塊に平面的に張り付いて、水の吸い込み口が塞がれてしまうのを防ぐ役割もあります。

いよいよ定植ですが、あらかじめ十分な水(できればメネデール液)で湿らせておいた無菌の土に挿していきます。この時、絶対に枝を力任せに土へグサッと突き刺さないでください!せっかく斜めに切った細胞が土の摩擦で潰れ、塗ったルートンも土の表面で削ぎ落とされてしまいます。必ず割り箸や細い棒などを使って土にガイドとなる穴を開け、そこに枝をそっと優しく差し込んでから、周りの土を指で軽く寄せて密着させる。これが失敗しない究極の手順です。

土へ挿す際は力任せにせず、必ず細い棒で土に穴を開けてから枝をそっと差し込む正しい手順

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庭木の挿し木において初心者が失敗を防ぐコツ

挿し木の手順を完璧にこなしても、発根するまでの数週間〜数ヶ月間の「日々の管理」でバランスを崩してしまうことはよくあります。ここでは、病理学的な視点や環境変化の観点から、よくある失敗の根本的な原因とその回避策について、さらに深く掘り下げて解説していきますね。
挿し木が失敗する二大原因。干からびることと、雑菌で溶けること

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枝が腐る原因とカビを回避する対策

挿し木に関するお悩みで圧倒的に多いのが、「いつの間にか地際(土と接している部分)が黒くドロドロになってしまった」「土の表面にフワフワした白いカビや緑の苔が生えてしまった」という悲鳴です。この現象は決して運が悪かったわけではなく、管理環境における「過湿」と「酸素不足」という2つの悪条件が重なった時に必然的に起こるものです。

挿し木をすると、どうしても「早く根を出してほしい」「絶対に乾かしてはいけない」という親心から、毎日毎日たっぷりと水をあげてしまいがちです。また、鉢の下の受け皿に常に水が溜まった状態(腰水状態)にして放置してしまう方もいます。しかし、土の中の隙間(マクロ孔隙)が常に水で満たされていると、新鮮な空気が入り込む余地がなくなり、土の中が「嫌気状態(極度の酸素不足)」に陥ってしまいます。

切り口の生きている細胞や、新しく作られようとしている根の原基も、呼吸をして酸素を消費して生きているため、酸素がないとあっという間に窒息して壊死(細胞死)してしまいます。そして、この壊死して柔らかくなった組織は、ピティウム菌やリゾクトニア菌といった土壌病原菌(カビの仲間)にとって最高のごちそうとなり、一気に侵入を許してしまうのです。

これを防ぐための最大の対策は、メリハリのある水やりと換気です。スリットポットなどの通気性が良く水抜けの早い鉢を使い、土の表面が乾き始めたタイミングで、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。この「上から下へと水が勢いよく通り抜ける動き」によって、土の中の古い二酸化炭素などのガスが押し出され、上から新鮮な酸素が土の中にグッと引き込まれるのです。もちろん、受け皿に溜まった水は、呼吸困難を引き起こす元凶ですので、水やりのたびに必ずこまめに捨てるようにしてくださいね。

常に水浸しは厳禁。上から下へ水が通り抜けることで古いガスを押し出し新鮮な酸素を引き込むメカニズム

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乾燥して枯れるのを防ぐ環境管理

腐敗を恐れるあまり、今度は極端に水やりを控えすぎたり、「植物にはお日様の光が必要不可欠だろう」と直射日光がガンガン当たる特等席に挿し床を置いてしまったりすると、今度は急速に乾燥が進んでカサカサに枯れ果ててしまいます。

何度も言うように、根を持たない挿し穂は、切り口から毛細管現象でほんのわずかな水を細々と吸い上げることしか補給の手段を持っていません。もし、葉っぱの気孔から空気中へ逃げていく水分(蒸散量)が、切り口から吸い上げる水分を上回ってしまうと、植物体内の水分収支が完全に破綻してしまいます。細胞はパンパンに張っていた圧力(膨圧)を失ってしおれ、そのまま回復不能な枯死へと一直線に向かってしまいます。特に直射日光は、葉の温度を急上昇させて蒸散を猛烈に加速させるため、挿し木にとっては致命的なダメージとなります。

この乾燥を防ぎ、水分収支を健全に保つためには、挿し穂の周囲の空間湿度(空中湿度)を極めて高く保つ工夫が必要です。私がよく実践しているのは、1日に数回、霧吹きで葉っぱの裏表にたっぷりと微細な水をかける「葉水(はみず)」です。さらに確実な方法として、透明なビニール袋を鉢の上からふんわりと被せ、袋の中にふーっと息を吹き込んで膨らませてから口を縛る「密閉挿し(簡易温室)」というテクニックも非常に有効です。

乾燥を防ぐ裏技として、霧吹きで微細な水を与える葉水と、透明な袋を被せる簡易温室(密閉挿し)のやり方

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ただし、ビニール袋を被せた状態で直射日光に当てると、中が蒸し焼き状態になって一瞬で茹で上がってしまいます。置き場所は絶対に直射日光を避け、「明るい日陰(半日陰)」や「レースカーテン越しに柔らかい光が届く、風通しの良い窓辺」などを選んで、静かに見守ってあげてください。風通しを確保することで、カビの発生リスクも同時に抑えることができます。

発根の確認方法と安全な鉢上げ手順

適切な温度と湿度で数週間が経過すると、枝の切り口にできたカルス(かさぶたのような組織)から、待ちに待った新しい不定根が分化し、土の中へと伸び始めます。しかし、土の中は目視できないため、初心者の方は「もう根が出たかな?」と好奇心と不安に駆られて、つい枝をヒョイッと引っこ抜いて確認したくなってしまうんですよね。

これは絶対にやってはいけない最大のタブーです!せっかく生え始めたばかりの、細胞壁の極めて薄い繊細な根(根毛)を、土との摩擦で無惨に引きちぎってしまい、これまでの苦労が一瞬で水の泡になってしまいます。また、枝自体に蓄えられていた養分だけで一時的に芽を出す「芽跳び(偽発根)」という現象もあるため、葉っぱが出たからといって油断は禁物です。

安全に発根を確認するには、枝の根元(地際)を二本指で軽くつまみ、真上に向かって本当に「そっと」極めて弱い力で引っ張ってみる「テンション・テスト」がおすすめです。土の中で何かがしっかりと張っていて、抵抗感を感じるようであれば、根が十分に伸びている可能性が非常に高いです。また、透明な容器やスリットポットを使っていれば、鉢の底や側面の隙間から、白くて健康な根っこが直接目視できるようになるので、これが一番確実で安心なサインですね。

絶対に枝を引き抜かず、枝の根元を軽くつまんでそっと引っ張り抵抗感を確認する安全な発根サインの見極め方

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十分に発根が確認できたら、いよいよ肥料分のない無菌土から、成長に必要な栄養を含んだ一般的な培養土へと環境を移行させる「鉢上げ(植え替え)」の作業を行います。この時も、元の土の塊(根鉢)は絶対に崩さず、古い土がついたまま一回り大きな新しい鉢へと「ストン」と移植するのがダメージを最小限に抑える大成功のコツです。新しい土には、マグァンプKなどの緩効性肥料を元肥として混ぜ込み、オルトランなどの防虫剤をまいておくとその後の管理が楽になりますよ。

十分に発根した後、元の根鉢を絶対に崩さずに一回り大きな鉢へと移植する鉢上げ(植え替え)のコツ

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ちなみに、【いちじく】を庭に植える!失敗しない育て方と収穫のコツを解説の記事でも紹介していますが、生命力が強い植物は乾燥にさえ気を配れば、驚くほどの確率で立派な根を張ってくれます。焦らずじっくり、植物の生命力を信じてあげてください。

種苗法に注意!増やした苗の取り扱い

挿し木の技術が身についてくると、お庭にある色々な庭木や美しいお花をどんどん増やしたくなり、ガーデニングの楽しさが倍増しますよね。クローン苗をたくさん作って、お庭を統一感のある景観に仕上げるのも素敵な楽しみ方です。しかし、ここで現代の園芸を楽しむ上で絶対に知っておかなければならない、非常に重要な法律のルールについてお話ししておきます。それが、植物の知的財産権(ブランド)を守るための「種苗法(しゅびょうほう)」という法律です。

挿し木で増やした登録品種の苗を販売・譲渡することは種苗法で禁止されており、自宅で個人的に楽しむ目的のみに限定されるという注意喚起

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ホームセンターや園芸店で売られている植物の中には、育種家の方々が何年もの歳月と莫大な研究費をかけて生み出した「登録品種」というものが多数存在します。苗のラベルに「PVP(Plant Variety Protection)マーク」がついていたり、「登録品種につき増殖販売禁止」と明記されているものがそれに該当します。

2021年(令和3年)の法改正により、この植物の権利を守るルールがさらに厳格化されました。育成権者の許可なく、挿し木や株分けなどで増やした登録品種のクローン苗を、フリマアプリやネットオークションで販売することはもちろん、ご近所さんや友人への「無償のプレゼント・譲渡」を行うことも、法律で固く禁止されています。(出典:農林水産省『種苗法の改正について』)

「ちょっと余ったからお裾分け」「お金を取っていないから大丈夫」という軽い気持ちでも、種苗法違反として法的な処罰の対象となる重大なコンプライアンス違反になってしまう可能性があるんです。

ですから、ご自宅で挿し木をして増やしたブランド苗は、あくまで「ご自身の庭や敷地内において、個人的に鑑賞して楽しむ目的」に限定して大切に育ててくださいね。ここで挙げた情報は一般的な目安ですので、より正確な法律や規制の情報については農林水産省の公式サイト等をご確認いただき、判断に迷う場合は専門の窓口や機関にご相談いただくことをおすすめします。植物を作った方へのリスペクトを忘れず、ルールを守って気持ちよく健全な園芸ライフを楽しみましょう。

まとめ:初心者が庭木の挿し木を成功させるコツ

土は無菌を選ぶ、スリット鉢を使う、葉を半分に切る、直射日光を避け湿度を保つという挿し木成功の4大鉄則

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ここまで、庭木の挿し木についてかなり詳しく、そして少し専門的なメカニズムにも踏み込んで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。「なんだか色々と注意することが多くて難しそうだな…」と感じてしまったかもしれませんが、全くそんなことはありません。挿し木は、決して「グリーンサム(緑の指)」と呼ばれるような特別な才能や勘が必要なものではなく、植物の生理的な仕組みをほんの少し理解して、理にかなった環境を作ってあげるだけで、初心者の方でも十分に高い確率で成功させることができる素晴らしい技術です。

最後にもう一度、重要なポイントをおさらいしておきましょう。一番のポイントは、挿し穂の「腐敗」と「乾燥」をいかに防ぐかということです。そのためには、絶対に肥料入りの培養土を使わず「無菌で肥料分のない土(赤玉土や挿し木専用土)」を選び、スリットポットを活用して土の中の酸素をたっぷり保つこと。そして、葉っぱを半分にカットして水分の蒸発を抑えつつ、密閉挿しや葉水で空気中の湿度を高く保つこと。さらに、メネデールでの丁寧な水揚げと、ルートンの薄塗布という最強の組み合わせで、植物の細胞に直接働きかけて発根をサポートしてあげること。これらを順番に実践していけば、必ず道は開けます。

最初は、ツツジを庭に植えてはいけない?噂の真実や風水と害虫対策を徹底解説の記事で触れたツツジ類や、アジサイ、ローズマリーといった発根しやすい強健な植物からスタートして、少しずつ自信をつけていくのがおすすめです。

もし1回目で枯らしてしまっても、決して落ち込まないでくださいね。なぜ枯れたのかを観察し、次の工夫に活かすこと自体が、ガーデニングの大きな醍醐味ですから。ご自身の手で小さな枝から根を出し、何年もかけて立派な庭木へと育て上げる喜びは、種や苗を買ってくるのとはまた違う、何物にも代えがたい深い感動があります。ぜひこの記事を参考にして、あなたのお庭をさらに素敵に、緑豊かに彩ってみてくださいね。応援しています!

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