こんにちは。我が家に植えたい庭木ナビ 運営者の「toki」です。お庭のシンボルツリーや生垣の候補として、日本の冬を彩る美しいお花を咲かせるツバキを検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、椿や庭に関する情報を集めていると、植えてはいけないといった気になる言葉を目にして、不安を感じてしまうこともありますよね。実は、この植物が敬遠されがちなのには、古くからの風水や縁起といった文化的な理由だけでなく、チャドクガなどの害虫による毒性の問題、さらには剪定の難しさや寿命、実の処理といった現実的なお手入れの手間など、様々な背景が隠されているんです。この記事では、種類ごとの特徴も交えながら、なぜそのように言われているのかを分かりやすく紐解いていきます。これからお庭づくりを始める方や、すでにお庭にある木をどうしようか迷っている方にとって、きっとヒントになる情報が見つかるはずです。
記事のポイント
- 椿が古くから縁起が悪いとされてきた歴史的な背景と風水的な解釈
- チャドクガなどの危険な害虫被害と健康に関わるリアルなリスク
- 花や実の特徴から見るお手入れや剪定の難しさと適切な時期
- すでに植えている人のリアルな感想と安全に処分または維持する方法
椿を庭に植えてはいけないと言われる文化的背景

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庭に植えてはいけない木は椿ですか?
お庭づくりを考えている読者の方から、ブログのお問い合わせフォームを通じて「庭に植えてはいけない木は椿ですか?」というご質問をいただくことが本当によくあります。これからマイホームのお庭を整えようと夢を膨らませている時に、ふとネットで「植えてはいけない」なんていう恐ろしい言葉を目にしてしまうと、誰だって不安になってしまいますよね。結論から先に申し上げてしまいますと、ツバキを個人のお庭に植えることが法律や条例で禁止されているわけではありませんし、植えた瞬間に何か恐ろしい不幸が必ず降りかかる呪いの木というわけでも決してありません。私自身、日々のウォーキングやご近所のお散歩をしていると、歴史を感じさせる立派な和風建築のお庭に、見上げるほど大きく育ったツバキが堂々と植えられているのを何度も見かけます。冬の冷たい空気の中で、深緑の葉っぱと鮮やかな赤いお花のコントラストは本当に美しく、日本の原風景としてこれほどしっくりくる素晴らしい庭木は他にないのではないか、と感じるほどです。
しかし、そうした圧倒的な魅力がありながらも、これから初めてお庭づくりに挑戦するガーデニング初心者の方や、共働きで毎日忙しく、お庭のメンテナンスにあまり時間をかけられないという方には、「諸手を挙げておすすめできる木ではない」というのが、庭木ナビを運営している私の正直な見解になります。なぜなら、後ほど詳しく解説していく「お手入れの過酷さ」や「強烈な害虫のリスク」といった現実的なハードルが非常に高いからです。さらに、お住まいの地域や、古くからのしきたりを大切にされているご年配のご近所さんがいらっしゃる環境では、「なぜわざわざあんな縁起の悪い木を植えるのかしら」と、心証を悪くしてしまう潜在的なリスクもゼロではありません。
知っておきたいご近所への配慮
せっかくの癒やしの空間になるはずのお庭が、ご近所トラブルの火種になってしまっては元も子もありません。植物を選ぶときは、単なるお花の色や見た目の美しさといった表面的な部分だけで判断するのではなく、その木が持っている「裏の顔」や「見えない部分」までしっかりと知った上で、ご自身のライフスタイルに本当に合っているのかを慎重に見極めることが大切かなと思います。
椿の木の由来と縁起の悪さ

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ツバキという植物が古くから敬遠されてきた最大の理由、それは独特すぎる「お花の落ち方」にあります。同じツバキ科で見た目も非常に似ているサザンカが、花びらを一枚ずつ風にのせてハラハラと美しく散らしていくのに対して、ツバキはお花が丸ごと根元から「ボトッ」と音を立てて落ちてしまう性質を持っています。これは単なる偶然ではなく、ツバキのお花の構造そのものに起因しています。お花を解剖学的に見てみると、花びら(花冠)の根元の部分と、中心にある雄しべが強固にくっついて一体化しているため、寿命を迎えてもバラバラにならず、重たい塊のまま地面に落下してしまうのです。
現代を生きる私たちにとっては、ただの「植物のユニークな生態」に過ぎませんが、時代を遡って武士が活躍していた時代の人々は、この現象に強烈な恐怖を感じました。重みのある真っ赤な花が、音を立てて丸ごと首から落ちる様子が、当時の武士にとって最も恐れるべき「打ち首(斬首)」や「戦場での死」をあまりにもリアルに連想させてしまったのです。そのため、武家社会を中心に「こんな不吉な木を屋敷の庭に植えるなんてとんでもない」と激しく忌み嫌われるようになりました。椿の木の由来を歴史の教科書などでたどると、千利休をはじめとする茶人たちからは「茶花(ちゃばな)」の最高峰として茶室で愛されてきたという素晴らしい側面もあります。しかし、それとは全く裏腹に、一般の家庭における椿の木の縁起としては、極めてネガティブなイメージが深く根付いてしまいました。
全国に残る「忌み木」の言い伝え
民俗学的な調査によると、東北地方から九州に至るまで、日本全国の約17もの都県で「ツバキを庭に植えると家運が傾く」「不幸が訪れる」といった具体的な言い伝えが残っているそうです。これほど広範囲にわたって迷信が共有されている庭木は他に類を見ません。現代でも、こうした昔からの言い伝えを重んじる地域コミュニティにおいては、無視できない心理的ハードルになっているのが現実ですね。
椿の木の風水における影響

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マイホームの建築や新しくお庭づくりをするにあたって、多くの方が気にされるのが「風水」や「家相」といった運勢のお話ですよね。実は、椿の木の風水的な解釈については、専門家の間でも真っ二つに意見が分かれる非常に珍しいケースなんです。ポジティブな解釈をする風水師の先生によれば、ツバキが咲かせる鮮やかな赤いお花は「火の気」を強く持っており、仕事運や人気運、勝負運を劇的にアップさせる強力なアイテムだとされています。また、冬の寒さに耐えて光沢のある深緑の葉を一年中茂らせる常緑樹としての生命力は、家に活気をもたらすとも言われています。
しかし一方で、やはり先ほどお話しした「ボトッと花が落ちる」という物理的な性質が、風水においても致命的なマイナスポイントとして解釈されることが少なくありません。花が丸ごと落ちる姿は、これまで積み上げてきた財産や社会的地位、あるいは健康運などが「突如として足元から崩れ落ちる」「急激に運気が低下する」という凶兆のシンボルとして捉えられてしまうのです。さらに、ツバキは日陰でも育つ耐陰性が強い植物であるため、家の北側などの暗くジメジメした場所に植えられがちです。そうした陰の気が溜まりやすい場所に植えることで、余計にネガティブなエネルギーを増幅させてしまうと懸念する声もあります。
風水というのは、自分自身がその環境でどれだけ心地よく、前向きな気持ちで暮らせるかを整えるための環境学です。「もしかして縁起が悪いかも…」「運気が下がったらどうしよう…」と、心のどこかに不安やモヤモヤを抱えたままお庭のシンボルツリーにしてしまうと、ふと窓の外を見るたびに無意識のストレスを感じてしまいます。それでは本末転倒ですよね。もし、どうしてもお庭にツバキ科の植物を取り入れて和風の趣を出したいけれど、どうしても縁起や風水が気になって踏み切れないという方には、花びらが一枚ずつ綺麗に散るサザンカを強くおすすめします。サザンカについての詳しい解説は、山茶花(サザンカ)は庭木として縁起が良い?風水と育て方を徹底解説の記事でも徹底的に掘り下げていますので、ぜひそちらも参考にしながら、ご自身の心に一番しっくりくる選択をしてくださいね。
椿を庭に植えてはいけない本当の生物学的理由

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椿の木の害虫被害と毒性
このサイトを通じて私が最も強く、そして一番真剣にお伝えしたい注意点が、この恐るべき害虫問題です。ツバキやサザンカといったツバキ科の植物には、「チャドクガ(茶毒蛾)」という蛾の幼虫(いわゆる毛虫)が、まるで吸い寄せられるように非常によく発生します。これが本当に厄介極まりなく、椿の木の害虫としては最大かつ最悪のリスクと言っても過言ではありません。ただ葉っぱを食べて木を丸坊主にしてしまうだけの毛虫ならまだ可愛いものですが、チャドクガの恐ろしさはその異常なまでの毒性にあります。

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一匹の幼虫には、数十万本とも言われる「毒針毛(どくしんもう)」という顕微鏡レベルの微細な毒の針がびっしりと生えています。これに直接触れてしまうと、まるで火傷をしたかのような強烈な痛みとともに、夜も眠れないほどの激しいかゆみと真っ赤な発疹が出る「毛虫皮膚炎」を引き起こします。さらに恐ろしいのは、直接触らなくても、風に乗ってフワフワと飛んできた目に見えない毒針毛が、干してある洗濯物や布団に付着したり、木の下を通った人の首元や腕に付着しただけでも、重篤なアレルギー症状を引き起こしてしまう点です。しかも、生きた毛虫だけでなく、脱皮した後の抜け殻や、死骸、さらには葉っぱの裏に産み付けられた卵の表面にまで毒針毛が覆い被さっているため、一年を通じて被害に遭う危険性が潜んでいます。
チャドクガ被害に遭ってしまった場合の対処法
もし被害に遭われた場合、絶対にかきむしったり、手で払ったりしてはいけません。毒の針が皮膚の奥深くに刺さり込み、被害範囲が全身に広がってしまいます。まずはガムテープなどで患部を優しくペタペタと押さえて毒針を取り除き、その後、強い流水とたっぷりの石鹸の泡で洗い流してください。そして自己判断で市販薬を塗るのではなく、速やかに皮膚科などの専門の医療機関を受診してください。(出典:世田谷区公式ホームページ『チャドクガについて』)

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春(4月〜6月)と夏から秋(8月〜9月)にかけて、年に2回も発生のピークがあるため、お庭でバーベキューをしたり、小さなお子様やペットが外で遊んだりするご家庭では、椿の木の毒性(※植物そのものではなく、寄生する害虫によるもの)に対する徹底した警戒が求められます。この害虫を完全に防ぎきることは非常に難しく、毎年プロの業者に頼んで強力な薬剤散布(消毒)を行う必要が出てくるため、ランニングコストという面でも大きな負担となってしまいます。
椿の木の花の種類と特徴
ここまでは少しネガティブで怖いお話ばかり続いてしまいましたが、もちろんツバキには世界中のガーデナーを虜にするだけの素晴らしい魅力がたっぷりと詰まっています。特筆すべきは、その圧倒的なバリエーションの豊かさです。椿の木の花の種類は交配が盛んに行われてきた歴史があり、現在では数え切れないほどの園芸品種が存在しています。スッキリとした一重咲きから、バラのようにゴージャスな八重咲き、花びらが複雑に重なり合う獅子咲きなど、咲き方の形だけでも本当に多彩です。色も、古典的で情熱的な濃い赤をはじめ、雪のように清楚な純白、愛らしいピンク色、さらには一つの花の中に赤と白の絞り模様がマーブル状に入るアーティスティックな品種など、どれをとっても気品と風格に溢れています。冬の冷え切った殺風景なお庭に、これほど力強い色彩を添えてくれる花木は他にありません。

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しかし、その「大きくて立派な美しいお花」だからこそ引き起こされる、現実的なジレンマがあります。先ほどお話しした通り、ツバキのお花は枯れ落ちる際に、バラバラにならずに巨大な塊のままドサッと地面に落ちます。大量の重たいお花が地面を覆い尽くす様子は、最初の数日こそ「落ち椿」として風情がありますが、水分をたっぷり含んだ肉厚な花びらはすぐに茶色く変色し、ドロドロに腐敗し始めます。これをそのまま放置しておくと、見た目が非常に不衛生でだらしない印象を与えるだけでなく、腐ったお花を温床にしてナメクジやダンゴムシといった不快害虫が大量発生したり、カビによる植物の病気の原因になったりします。さらに、コンクリートやタイルのアプローチに落ちた花を踏みつけると、ツルッと滑って転倒する危険性もあるのです。つまり、美しいお花を健全に楽しむためには、開花シーズン中は毎朝のようにホウキとチリトリを持って、地面に張り付いた重たい花を回収するという「こまめなお掃除」が絶対のセットになる、ということを覚悟しておかなければなりません。
椿の木の実に関する注意点

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美しいお花の季節が終わり、春から初夏にかけて葉っぱの緑が濃くなってくると、枝のあちこちにコロンとした青リンゴのような丸い果実がつき始めます。秋が深まるにつれてこの実は硬く茶色く変色し、やがて乾燥してパカッと3つに割れ、中から黒くてツヤツヤした大きな種子が顔を出します。昔の人はこの種を拾い集めて搾り、高級なヘアケア用品や食用油として重宝される「椿油」を作っていました。そういった実用的な歴史を知ると少し愛着が湧くかもしれませんが、一般の住宅のお庭で育てる場合、実はこの椿の木の実にも厄介な注意点がいくつか隠されているんです。
まず植物の生理学的な観点からお話しすると、木が実を大きくして種を熟成させるというプロセスには、人間が想像する以上の莫大なエネルギー(養分)を消耗します。お花を観賞することが目的なのに、実をそのまま大量に残して放置してしまうと、木がそちらにばかり栄養を使ってしまい、翌年の春に咲くためのお花を作る力が残らなくなってしまうのです。その結果、「今年は全然お花が咲かなかった…」といういわゆる「裏年」を作ってしまう原因になります。これを防ぐためには、花が咲き終わって枯れ始めたタイミングで、実が形成される前に花柄(お花の付け根の部分)からポキポキと手で摘み取ってしまう作業が必要になります。
また、熟して弾け飛んだ種が土の上に落ちると、非常に高い発芽率で翌年の春にひょっこりと芽を出します。これはいわゆる「実生(みしょう)」や「ひこばえ」と呼ばれるものですが、お庭の砂利の隙間や、他の植物の鉢植えの中など、意図しない場所から勝手にツバキの赤ちゃんが大量に生えてきてしまうのです。小さいうちに引き抜けば問題ありませんが、気づかずに放置して根が深く張ってしまうと、引き抜くのにも一苦労する雑草のような存在になってしまいます。観賞目的で美しく保ちたいのであれば、やはり実がなる前にお花ごと処理してしまうのが、木を元気に保ち、お庭を綺麗に保つための鉄則と言えるでしょう。
椿の木の剪定と枝を切る時期
どんな庭木であっても、大きさをコントロールし、美しい樹形を保つためには「剪定(せんてい)」という枝を切る作業が絶対に欠かせません。しかし、数ある庭木の中でも、ツバキはこの剪定のタイミングと技術的な難易度がトップクラスに高い植物の一つです。ガーデニング初心者の方が感覚だけでジョキジョキと切ってしまうと、取り返しのつかない失敗を引き起こす可能性が非常に高いのです。最大の理由は、椿の木の剪定ができる「適期」が、一年のうちでほんの一瞬しかないという点にあります。
ツバキの剪定は、「お花が完全に咲き終わった直後の春(おおむね3月下旬から4月の中旬頃)」に行うのが絶対のルールです。なぜならツバキは、お花が終わるとすぐに成長モードに切り替わり、初夏から夏にかけて、もう来年の春に咲かせるための「花芽(お花の赤ちゃん)」を枝の先端に作り始めてしまうからです。この事実を知らずに、「枝が伸びてきてうっとうしいから」と夏場や秋、あるいは年末の大掃除の時期などにうっかり椿の木の枝を切る作業をしてしまうと、せっかく時間をかけて作られた来年用の花芽をすべてゴミ袋に捨ててしまうことになります。結果として、「毎年一生懸命お手入れしているのに、うちのツバキは全然お花が咲かない!」という悲劇が生まれてしまうわけです。

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| 剪定を行う季節 | 木への影響と開花に対するリスク |
|---|---|
| 春(花後すぐ:3月〜4月) | 【最適期】まだ次の花芽が形成される前なので、枝を深く切って樹形をコンパクトに整えることができる唯一のチャンス。 |
| 夏〜秋(6月〜11月) | 【絶対NG】すでに枝先に花芽が完成しているため、ここで枝先を切ると翌年の花を完全に諦めることになる。 |
| 冬(12月〜2月) | 【非推奨】寒さで木が弱りやすく、また開花直前の蕾を物理的に落としてしまう危険性が極めて高い。 |
さらに厄介なのが、切るべき枝の見極めです。先ほどご説明した恐ろしい害虫「チャドクガ」の発生を防ぐためには、風通しを良くして虫が隠れる場所をなくす「透かし剪定(間引き剪定)」という高度なテクニックが必須になります。表面だけをバリカンで丸く刈り込むような切り方は、内部が蒸れて害虫の温床になるため絶対にやってはいけません。木の内側で複雑に絡み合った枝や、真上に飛び出した枝を、根元からノコギリやハサミで的確に切り落としていく空間認識能力が求められます。ご自身での剪定が少しでも不安だと感じる方は、最初から無理をせず造園業者さんなどのプロにお願いするのが一番安全で確実です。剪定の基本的な考え方や切り方のコツについては、庭木剪定の基本!初心者が失敗しない時期とやり方を徹底解説の記事でも図解入りで詳しく解説していますので、ぜひそちらもご一読いただいて、植物の構造に対する理解を深めてみてくださいね。
椿の木の寿命と増やし方
庭木を選ぶ際に意外と見落としがちなのが、その植物がどれくらい長く生きるのかという時間軸の視点です。ツバキは非常に強健で生命力が強く、環境さえ適していれば数十年、あるいは数百年単位で生き続ける超長寿の木として知られています。各地の神社やお寺に行けば、幹の太さが大人の胴回りほどもある樹齢数百年という立派なヤブツバキの巨木を見ることができますよね。椿の木の寿命がこれほどまでに長いということは、親の代から子の代、そして孫の代へと、世代を超えて美しい花を楽しめるという素晴らしいロマンがある一方で、「一度地面に植えてしまったら、簡単にはやり直しがきかない」という重い責任も伴うことを意味しています。
寿命が長い分、根っこは地中深くまで強固に張り巡らされ、放置すればあっという間に2階の屋根に届くほどの高さ(5メートルから10メートル以上)にまで成長してしまいます。人間の方が先に歳をとり、脚立に乗っての剪定作業が体力的にキツくなった時に、この巨大化したツバキを誰がどうやって管理するのか、という将来のビジョンまで見据えておかなければなりません。また、もし現在のツバキの品種がとても気に入っていて、「お庭の別の場所にも同じ木を植えたい」「ご近所さんにお裾分けしたい」という場合は、種から育てるよりも「挿し木」という手法で増やすのが確実です。椿の木の増やし方としては、梅雨の時期(6月〜7月頃)に、その年に新しく伸びた元気な枝を10センチほど切り取り、土に挿してたっぷりの水を与えながら日陰で管理するのが一般的です。比較的簡単に根付きますが、前述したチャドクガの爆発的発生リスクを考慮すると、個人のお庭の中でツバキ科の植物をむやみに増やしていくのは、防虫管理の手間が倍増するため、少し慎重になったほうが良いかもしれませんね。
椿の木の安全な処分方法
様々な事情が重なり、「これ以上は自分たちで管理しきれない」「毎年毛虫に刺されるのにもう耐えられない」と決断し、最終的にお庭からなくすことを選んだ場合、一体どうすれば良いのでしょうか。実は、植える時よりも、撤去する時の方が何倍も大変だというのが庭木の常です。椿の木の処分は、素人がDIY感覚で安易に手を出して良い作業ではありません。
ご自身でチェーンソーやノコギリを使って伐採に挑戦する場合、最大の障壁となるのがやはり「チャドクガの残留毒」です。作業を始める前に、枝や葉っぱの裏、さらには幹の隙間に幼虫や卵の塊が潜んでいないか、ルーペを使う勢いで徹底的に確認しなければなりません。そして、万が一に備えて、肌を一切露出しない完全防備の服装(厚手の長袖・長ズボン、首元のタオル、防護用のゴーグル、防刃・厚手のゴム手袋、防塵マスクなど)で作業に臨む必要があります。切り落とした枝を素手で掴んだり、半袖で作業したりするのは絶対にやめてください。切った後の大量の枝葉を細かく刻んで自治体のゴミ袋に詰める作業だけでも、気が遠くなるほどの重労働です。さらに、木を切り倒した後に残る「切り株」の処理(抜根)が待っています。長年かけて地中深く、そして広く張り巡らされたツバキの根っこは、スコップ一本で掘り起こせるような代物ではありません。切り株をそのまま放置すると、そこから再び強い芽(ひこばえ)が出てきたり、腐った根がシロアリの格好の餌食になったりするリスクが生じます。
ご自身の安全面や、道具を揃える費用、そして膨大な労力を総合的に考えると、費用はかかってしまいますが、最初からプロの伐採業者さんや造園業者さんに丸ごと依頼するのがもっとも賢明で安心な選択肢です。撤去にかかる費用については、木の高さや幹の太さ、重機が入れる立地かどうか、抜根まで行うのか切るだけなのかによって金額が大きく変動するため、一概には言えません。あくまで一般的な目安ですが、高さが3メートル程度の木を抜根から処分まで依頼した場合、数万円〜5万円程度の費用がかかるケースが多いようです。必ず複数の信頼できる業者さんから現地調査を伴う相見積もりを取って、納得のいく形で最終的な判断は専門家にご相談の上、進めてください。
椿の木を庭に植えている人の口コミ・感想レビュー
ここまで専門的なお話をたくさんしてきましたが、実際にマイホームのお庭でツバキを育てている先輩ガーデナーたちは、日々の生活の中でどのように感じているのでしょうか。ネット上の掲示板や、SNS、当ブログに寄せられた読者の方の声を元に、椿の木を庭に植えている人の口コミや感想レビューを調べてみると、見事に賛否両論、リアルな生の声が浮かび上がってきます。
ポジティブな意見として圧倒的に多いのは、やはりその視覚的な美しさに対する感動です。「冬のどんよりと曇った何もない時期に、お庭の真ん中で真っ赤な花が咲き誇る姿を見ると、本当に心がパッと明るくなって元気をもらえます」「和モダンなデザインの我が家の外観に、ツバキの深緑の葉が最高にマッチしていて、近所でも評判のシンボルツリーになっています」といった、愛情たっぷりの声がたくさん寄せられています。お花そのものが持つ凛とした美しさや、空間をキリッと引き締める存在感は、やはり他の樹木には代えがたい魅力があるようです。
一方で、手放しで喜べないネガティブな意見の大半は、やはり「維持管理の過酷な苦労」に集中しています。「毎年春と秋になると必ずチャドクガが大量発生して、洗濯物を干すだけで家族全員が全身ジンジンと腫れ上がってしまい、本当に大変な思いをしました」「自分で剪定してみたら、切りすぎて翌年全く花が咲かずガッカリ。かといって毎年業者さんに頼む剪定費用と消毒の薬代がバカにならず、正直言って家計の負担です」「花が咲くのは綺麗だけど、ボトボト落ちた巨大な花が雨でドロドロになって、毎日の掃除が憂鬱で仕方ありません」といった、切実な悲鳴に近い声も決して珍しくありません。こうした良い面と悪い面の両方のリアルな生の声を知っておくことは、これからお庭づくりの計画を立てる皆様にとって、後悔しない選択をするための非常に重要な判断材料になると思います。
まとめ:椿を庭に植えてはいけないという疑問に対する答え

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ここまで、武士の時代から続く文化的な背景から、チャドクガの恐怖、そして剪定や日々のお手入れといった現実的な苦労まで、多角的な視点からツバキという植物のリアルな姿をお話ししてきました。検索エンジンで「椿を庭に植えてはいけない」と検索される方が後を絶たないのは、決してただの迷信や根拠のない噂話からきているわけではありません。激しいかゆみをもたらす害虫の健康被害や、一瞬のタイミングを逃せない難易度の高い剪定、そして重たい落ち花の掃除といった、住む人にのしかかる避けては通れないリアルなハードルがいくつも存在しているからです。

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もちろん、きちんとした園芸の知識を持ち、定期的な消毒薬の散布や、落ち葉・落ち花の掃除といった日々のメンテナンスに労力とコストを惜しみなくかけられるというガーデニング上級者の方であれば、冬のお庭を圧倒的な存在感で彩ってくれる、これ以上ないほど素晴らしいシンボルツリーになってくれることは間違いありません。ですが、これから初めて家づくりをして「手入れが少なくて済む、ローメンテナンスな庭木がいい」「虫が大の苦手で触れない」「小さな子供やペットが安心して走り回れるお庭にしたい」と願っている方にとっては、残念ながらツバキは少し抱えるリスクや負担が大きすぎる植物だと言わざるを得ません。ご自身の現在のライフスタイルや、10年後、20年後にお庭でどのように過ごしていたいかという未来のビジョンを想像しながら、無理なく笑顔で付き合っていける、あなたのご家庭にぴったりの最高の庭木を見つけてくださいね。我が家に植えたい庭木ナビでは、これからもそんな皆様のお庭づくりを全力でサポートしていきます!

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